伊坂幸太郎 アヒルと鴨のコインロッカー
2016/11/08
一緒に本屋を襲わないか
こんな言葉を日常会話で使うだろうか。
しかもその標的はたった一冊の広辞苑なのである。不思議すぎる。
そんな日常から少し浮いた作品を筆者の伊坂幸太郎はまたも作り出した。読み進めれば読み進めるほどに引き付けられる話の展開。
過去の話と現在の話の二重らせんによって話は構成されていて、強盗に誘われたのは現在の話の主人公。
現在の話は広辞苑強盗の一件で初めからスリリング、過去の話は過去の話で飽きさせない・先が気になる。
最後には現在編を読んでいるときの「なぜ?」「なにがあった?」という問いと、過去編のエピソードが交わり、絶大な化学反応が起きるのである。
その為、テイストが少しそれぞれ現在編と過去編で違ってくる。
全ては最後、それぞれのストーリーが重なり合う時のため。
読み終えた後には絶対聞きたくなる「ボブ・ディラン」いやむしろ最初から聞きながら読みたくなる「ボブ・ディラン」
そして行ってみたくなる、ブータン。
最後、伏線とも思ってもみなかった言葉が実は伏線であったり、明かされる衝撃の事実に、きっと涙すると思う。
伏線の回収は見事としか言いようがない。
また、題名の理由も最後に明らかとなる。
そして最後には「神様」を閉じ込めに行く。
神様って閉じ込められるものなのか?そう思ったあなたは読んでみるといいと思う。
確かに閉じ込めている気もしなくはない(笑)
ここで記憶に残った名言を
河崎は言った。「裏口から悲劇は起きるんだ」
そんなこんなでこの本はこんな方にオススメ。
- 伊坂幸太郎ファン
- カットバック形式の本が読みたい人
- ブータンについて詳しくなりたい人
- 単純に面白い話が読みたい人
- ボブ・ディラン好き
- 本屋を襲う話を読みたい人
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