不動産投資も保険もいらない! 業界の利益の出し方稼ぎ方からみる市場と生き方について
2017/08/08
最近読んだ本の中で、面白い本がありました。
その本を読んでみるとなかなかまだまだ市場の攻略できる余地みたいなものが見えてきたり、はたまた、よりよく生きていく上で為になることであったりと様々な利点がありました。
なのでこの本を読んで思ったことなどを書いていきます。
その本ってどの本やねん!
最初の文でその本その本言いながら全くどの本か言っていないので、言います。
それが、価格と儲けのからくりという本です。
ざっくり簡単にまとめると、世の中の仕組みの中から、63個ものサービスやジャンルにおいていかに儲けているかをわかりやすく解説してくれている本です。
消費者視点で感じた事
生命保険
もともとこの本を読む前から私は生命保険に関してあまりメリットを感じていませんでした。
その理由としてはまず保険というのは何かマイナスになることが起こった時にそれを補てんするためのものですが、これは確実に掛けた分よりも期待値で言うとマイナスになります。
生命保険のCMやその他プロモーションにはどこからお金が出ているのでしょうか。
さらに生命保険会社の人件費はどこから出ているのでしょうか。
それは生命保険を掛けている消費者からでているお金です。
つまり確率からすると、かけた分はほぼほぼ返ってこないのです。
そこで、この「儲けのカラクリ」をみていきます。
日本人の一人当たりの保険への年間支出額は断トツで世界一です。
一世帯当たり41万も消えています。年収からこれだけの額が引かれているのです。リスクヘッジのためにこれだけ払うのはもはやリスクではないでしょうか。そのお金、貯めたほうがいいと思います。
ちなみに払った保険料は当たり前ですが、「保険会社のコスト」と「誰かが病気などになった時の支払いに充てるお金」とに分かれます。
「保険会社のコスト」の事を「付加保険料」といい「誰かが病気などになった時の支払いに充てるお金」を「純保険料」といいます。
つまり、純保険料分しか保険を掛けている人には戻ってきませんが、たしかに掛けている側からしても「保険会社のコストはまぁ少しなら仕方ないし、それだけ仕事してもらっているのだから……」となりますが、その中身はもっと削減できることです。
ちなみにこの本では大手生保の純保険料はおよそ35%とされています。
つまり、100を保険料として支出していれば、返ってくるのは35だけです。残り65程は戻ってきません。もちろんケースによっては大きくリターンされる可能性はなくはないとは思いますが、リスク側としての宝くじと同じ状態です。
ネット保険では純保険料が77%とものすごくリターンが大きいですが、もっとリターンが大きいものがあると、筆者は語ります。
それは、「都道府県民共済」です。こちらは非営利なので還元率が段違いであり、その還元率は96%にも達します。
つまり、個人的にはもし保険を掛けるなら「県民共済」一択のような気はします。
不動産投資
副業の方法として株やFXはリスクが怖すぎるから、比較的安定性の高い不動産投資を税金などの対策を併用しながら行うという方法が人気になっています。
私も実際、安定性は高そうだなぁと何もわからない状態で思っていました。(もし本当にするならもっと勉強はしますが)
しかし、市場規模の観点からみていくと新規参入するには確かに恐ろしく怖いビジネスであり、ブルーオーシャン戦略でおなじみのレッドオーシャンかブルーオーシャンかでみると間違いなくレッドオーシャンです。
なぜなら、少子高齢化に伴う人口の減少によって、食料品業界などと同じ市場縮小傾向にあるからです。
その上、食料品などは海外へと逃れていくことによって成長を続けようとしていますが、不動産に関しては、いまや人口の増加がまだ見込める地域には中国人投資家が割り込み、かといってその他を攻めようにも人口の流出に歯止めがきいていません。
そしてそれに伴い実際の賃貸住宅の空き部屋の率は調査のたびに増え続け、今や23.3%(2013年総務省)もの賃貸住宅が空き部屋です。
そうなると少ないターゲットをこぞって狙いに行くため、年々家賃が安くなっていきます。
投資は基本将来性を見越して行うものです。つまり、不動産投資は投資としては魅力のないものであると思います。
業界の状態
この「儲けのからくり」にはほかにも60以上の業界について書かれてありますが、抜き出して2つだけ見ていきます。
広告
いまや企業のマーケティング戦略(ブランディング戦略)において広告は無くてはならない物になっています。
しかし市場規模だけでみると2007年のピークの7兆円より1兆円も減少し、現在は6兆を割り込むところまで来ています。
しかしそれは費用対効果の大きいネット広告が台頭してきたからにほかありません。
フリーミアム系のビジネスにも広告という部分は欠かせないですし、無料アプリも広告でもっています。
そんななか視聴率は減少傾向にあるTVですが、その広告費というものはあまり減少していないようです。したがってコストパフォーマンスが低くなってきているとも言えます。
ここに更なるネット広告の攻め口はあるのではないかと思っています。
往々にして寡占系の業界というのはイノベーションによる横からの攻撃にもろいものです。
今までの高利益率はすなわち消費者(顧客)が利益を損なっているから成せる業であったりします。
したがって最近のAbemaTVのような革新があった時に、その利益が吹っ飛ぶ可能性があります。
その点でも、このTV広告の弱みを攻めたAbemaTVはもし成功すれば大きく利益を上げることが出来る可能性を秘めています。
ちなみにAbemaTVはインターネットTV局でチャンネルが豊富であり28チャンネル程あります。そして運営の会社はサイバーエージェント60%・テレビ朝日40%の出資比率で出来上がっています。
その他のネット広告の攻め入る隙もまだまだありますので、人々の時間を奪い合う戦いは熾烈を極めていくでしょう。
カラオケボックス
まさかのカラオケボックスの市場規模が縮小傾向で驚きました。
なんとなく大手のカラオケチェーンが大きく展開していっているのでカラオケの市場規模は大きく拡大とまではいかずとも微増しているのかなと思っていたのですが、全くの逆です。
1996年の6500億円のピーク後、減少していき、2013年には3912億円まで減少しています。40%も減少です。
しかし、客数の落ち込みは18%なので、客単価を大きく落とし安い所が生き残り、高い所が潰れていっている可能性は高いです。
個人的には1つのエンターテイメント施設としてこれからも頑張ってほしいものです。
まとめ
世の中の流れが分かれば、今後の行動に関してもより良いものになりますし、何かを成そうとした時などは大局を見ることは重要になってきます。
そういった点で、基礎的な部分に関してものすごいためになりました。
今回は日ごろから思っていたことが多かったので、今度はより詳しく何かについて書かれた本を読んでみたいと思います。