何が真実!?パラレルワールド・ラブストーリー(東野圭吾)の感想・あらすじ等

「彼女は僕の彼女なのか、それとも僕の親友の彼女なのか」

そんな謎が、更に謎を呼んでいく。

まさにパラレルワールド。

人気作家、東野圭吾さんが執筆したラブストーリーということで、

どういった視点からラブストーリーを描いていくのかも注目のポイントです。

この本は私は数年前に一度読んでおり、その際の強烈な印象がまだ頭の中に残っていて、

ふともう一度読みたくなったので、本棚から引っ張り出してきて読みました。

年月を重ねても衰えない印象と、もう一度読みたくなるストーリーを持っています

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パラレルワールド・ラブストーリーのあらすじ

次世代VR(バーチャルリアリティー)の研究をしている主人公の「敦賀崇史」は

妻であるはずの「麻由子」が親友の彼女であるという夢をみる。

いつもとかわらぬ妻との朝の時間。これは現実の世界である。

しかしその夢はまるで夢には思えず、どちらが正しい世界なのか、と混乱する。

今持っている記憶が正しければ、「麻由子」は妻であるはず。

そう、記憶が……正しければ。

記憶の違和感から行動を起こしだした「崇史」に次々と起こる記憶の破綻。

謎が謎を呼び、知れば知るほど分からなくなっていく展開。

そして明かされる衝撃のラスト。

解き明かされる「真実」は一体……!?

どちらが恋人!?どちらの恋人!?パラレルワールド感全開のスタート

この本といえば、作中に出てくる「麻由子」の謎。

彼女が主人公の「敦賀崇史」と彼の親友「三輪智彦」のどちらの彼女なのかわからないという状況から話はスタートします。

この謎をベースに物語へ引きずり込まれていきますが、

この謎なんてほんの入り口に過ぎません

芋蔓形式の謎堀農園へようこそ。ウェルカムトゥ謎パーク。

発端確かにこの「どっちの恋人」問題ですが、この答えは本の半分も読めば大体想像はつきますし、

その後も確信に至りますが、ここじゃないんですよ。

あれ?あの人はどうなったの!?となってくる「あの人」こそこのミステリーの最大の謎です。謎の提供者です。

読み進める手が止まらなくなってきます。

自分は確固たるものですか? ーSFの古典ー

この作品の「記憶」にまつわる展開と種と手法はSFの世界では使い古された手法ではあります。

私も大好き、虚淵玄さん(サイコパス、Fate/Zero等の作者・シナリオライター)も大好き(おそらく)、

フィリップ・K・ディックという著名なSF作家の世界観に似ています。

フィリップ・K・ディックの作品はいま私たちが生きている「現実」が危ういものである可能性を示唆したような作風が特徴的で、

そういった「現実」の脆さといった視点がこの東野圭吾さんの「パラレルワールド・ラブストーリー」と共通しています。

このフィリップ・K・ディックの作品で有名なのがこちら。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?です。

映画のブレードランナーの原作として知られる作品。

電気羊しか飼えない主人公が本物の動物を飼うことを夢見て、お金を稼ぐために「アンドロイド狩り」を行う。

その先にある結末とは一体……!?

人間とは何かを考えさせられる作品として有名作です。

テーマは恋愛ではない

この「パラレルワールド・ラブストーリー」のテーマはどっぷり恋愛かと思いきやそうではありません。

人間の嫉妬や妬みといったテーマも含まれ、その点では恋愛ではあるかと思いますが、

読後の感想としては、この作品の根底にあるのは「人間の儚さや脆さ」であり、また、友情とはという事に対して抉っていくようなモノです。

そういった複数の視点での楽しみがあるこの作品は、

複数回、繰り返しての読書がおすすめです。

次はこういった視点で読んでみよう!と読みだすと、違った味わいがあります。

最後に

最後、この作品には大きな見どころがあります。

そこまで読み進めたとき、途中でどれだけ中だるんでいようが、

涙腺が緩んできます。

手紙、ここに込められた想いは煌いていて鮮やかです。

 

あと、追加で感想を述べるなら、

「麻由子」の描き方がなんとも中途半端な気がしました

まぁ、ここまでしっかり書き出すと、ただでさえややこしい流れなのに

情報量が多すぎて、わかりにくくなってしまいそうなので、それはそれで現状でいい気はしますが……。

 

今度こそ最後に!

この本を読んだ方にお勧めの本を同じく東野圭吾さんから2冊。

まず「変身」という作品。

世界初の脳移植手術を受けた平凡な男を待ちうけていた過酷な運命の悪戯!
脳移植を受けた男の自己崩壊の悲劇。

平凡な青年・成瀬純一をある日突然、不慮の事故が襲った。そして彼の頭に世界初の脳移植手術が行われた。それまで画家を夢見て、優しい恋人を愛していた純一は、手術後徐々に性格が変わっていくのを、自分ではどうしょうもない。自己崩壊の恐怖に駆られた純一は自分に移植された悩の持主(ドナー)の正体を突き止める。

 

そして、もう一冊が「分身」

函館市生まれの氏家鞠子は18歳。札幌の大学に通っている。最近、自分にそっくりな女性がテレビ出演していたと聞いた―。小林双葉は東京の女子大生で20歳。アマチュアバンドの歌手だが、なぜか母親からテレビ出演を禁止される。鞠子と双葉、この二人を結ぶものは何か?現代医学の危険な領域を描くサスペンス長篇。

 

これら2作に「パラレルワールド・ラブストーリー」を加えた3作品で

新井素子さん曰く、「”私”3部作」らしい。

 

ぜひ3作とも読んでみてください。

 

 

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